これまでのセミナーでは、人事担当を対象としてよりよい人事の方法について述べたり、セミナーやセミナー内容の紹介などを行ってきましたが、今回は人事の対象となる社員視点のセミナーを行ってみたいと思います。
社員にとって望む人事とは、自分が評価されゆくゆくは昇進・昇給することに他ならないでしょう。
評価結果が能力通りの高さなら、今後はさらにアップさせるためにますます仕事を頑張ろうと思えます。
しかし、能力に見合っていない高さだと感じると、今後どんなに頑張ろうとも努力は実らないのでは?と思ってしまい、仕事に身が入りませんよね。
かといって、このままでは企業にとっても自分にとってもマイナスになるばかり。
評価結果を上げるためには自分自身をアピールする必要があります。
もし、自分にくだされている評価が考えているよりも低いと、つい文句を言いたくもなるでしょう。
どうして自分の努力が評価されないのか?
他人以上に頑張っているのに、その他人の方が評価結果が高いのはどういったことか?
上司は自分をしっかりと見てくれていないのでは!?
・・・と。
しかし、上司にこれを面と向かっては言えません。
そもそもこれらの意見はすべて自称によるものであって、人間とは自分を過大評価してしまいがちな生き物ですからね。
過大評価するなと言っても、そう感じてしまうのはどうしようもないことなので、その評価の差を近付けるように心がけたいものです。
上記の意見は単なる愚痴にすぎません。
アピールとは愚痴を伝えることではなく、自分の良さを伝えることです。
上司にとってマイナスに感じる意見ではなく、プラスに感じる意見を伝えるようにしなくては評価に繋がりません。
「360度評価」とは人材評価の方法のひとつです。
これまでの従来の評価は上司が部下を評価する方式が主でしたが、360度評価では上司による評価はもちろんのこと、部下からの評価や同僚同士の評価、また取引先からの評価までをも含めています。
こういったあらゆる面からの評価方式のため、多面評価とも呼ばれています。
360度評価には、一般社員、管理職の両方にメリットがあります。
例えば、同僚同士で評価するということは、評価する側もまた評価されているということになります。
そのため、同僚に対しても適切な評価をしようと心がけるようになります。
もちろん、個人個人の仕事の意欲も高まると期待できますし、他人を評価することで客観的な視点が養えます。
また、これによって適切な評価内容が管理職に伝わります。
社員同士でなければ気付かないような個々の特性や能力も判り、人材育成に人事に、そして業務にと役立てることが可能となります。
多方面から評価されるとなると、誰しも周囲の目を気にするようになるでしょう。
従来の評価方式では上司の目だけを気にすれば良かったのですが、360度評価を取り入れると共に仕事をする同僚や仲間の目までを気にしなくてはなりません。
これにより、意識の方向が組織や業務全体に向くことにもなります。
こういったメリットのある360度評価を、人事制度にとりいれる企業がここ近年で増えてきています。
ただ、NLP資格を持つとあるNLPトレーナーによると、多方面から評価を行うと評価結果がそれだけ倍増するため、社員が多ければ多いほど人事担当者の負担が重くなってしまうのだとか。
360度評価を取り入れるなら、この負担をどのように軽減させるかが課題となるでしょう。
人事とは社員を評価することだから、社員自身も客観的に自己評価できることが必要となる・・・といったことを以前に述べたことがあります。
しかし、自己評価は人事に対する理解を深める側面をもっている一方で、人事へ疑いのまなざしを向けることになる爆弾となりかねない面もあるのです。
現在では、社員の意識付けのために自己評価を行っている企業が多くありますが、それは果たして人事を上手く進めることになっているのでしょうか。
危険な側面を持つことの理由は、上司からの評価が自己評価に影響を与えてしまいやすいということ。
また、自己評価と上司の評価のギャップが激しい評価項目があまりにも多いと、NLPなどを導入したコミュニケーションをしっかりととらない限り、上司と部下の間の信頼関係が損なわれることになってしまうことも挙げられます。
それを防ぐには
1・評価項目を本当に必要な項目だけに絞り込む
2・社員と上司の評価基準をわざと違うものにする
3・コンピテンシー(行動特性)や能力の評価は育成のためと割り切る(給与・処遇には関係しない)
・・・などの工夫が必要です。
人事制度の担当者には、自己評価は綿密にやらせるべきだと考える者が多いようです。
しかし、それがかえって、人事制度が上手く機能せず弊害を生んでしまっていることにもなっているようです。
自己評価は必ずしも必要なことではありませんが、しかし人事のためには設けておいた方が良いことも確かです。
そのため、自己評価を進める傍ら、NLPコミュニティを設けるなど、社員と上司の心理的コミュニケーションも図らなければなりません。
とある企業で、リーダーシップ研修を受けたという部長が、その部署にて行った2種類の自己評価があります。
その自己評価とは部署の社員全員にとってもらうものでした。
一つ目は、自分はチームにどれくらい貢献できているか、という評価です。
これをパーセンテージで自己評価して、申告してもらいます。
部署内全員の申告結果を合計すると、容易に100を上回る結果に。
これが何を言っているのかというと、社員ひとりひとりに、自分は部署に貢献できているという自覚というか思い込みがあるのだということです。
2種類のうちのもう一つは、これも同じくパーセンテージでの自己評価なのですが、部署の他メンバーと比べた場合の貢献度を申告してもらうものです。
すると、先ほどとは一変して、合計しても100を超えない結果となったのです。
この部署の部長が受けたという研修は、人材教育にNLPを取り入れるという内容だったそうです。
このときに行われた自己評価は、その後の人事にも役立てられ、また部長のリーダーシップを自覚することにも繋がったのだとか。
これと似たような評価方法は、ハーバードビジネススクールのマックス・ベイザーマン教授が自己認知レベルのアップのために考え出されました。
自己認知レベルとは、なるべく客観的に自己を認知できるかということです。
社員が客観的に自分を評価できれば、その評価は人事のために行われる評価と似通っているため、人事に対する不満が生まれにくいと言われています。
1・時代に合わせて人事評価を変えていく
評価の影響は社員たちがおかれている環境と密接に関わります。
とくに、社会環境や経済状態には敏感であるため、それによって評価方式も変えていかなくてはなりません。
つまり、人事の評価制度は時代に合わせること。
時代に合った評価方式でないと、人材は育たず、業績もなかなか上がらないものです。
2・賞与と動機の関係性は無に等しい
賞与は一時的、もしくは間接的には動機づけとなりますが、直接の動機づけとはなりません。
以前にも述べたことはありますが、社員にとっての動機付け、モチベーションアップとなるのは、給与や賞与ではなく、仕事のやりがいです。
3・社員の能力の評価を適正に行う
人間が人間を見る目には、どうしても固定観念が邪魔をしています。
しかし、そういった誤解や思い込みを排除して、客観的に社員を評価できるような努力が必要です。
また、確実な成果を上げる人の特徴や、そういった人たちの共通点を知らなければなりません。
偶然に上がる成果ではなく、必然的に成果を上げられる人はどんな特徴を持っているのか。
それを理解し、他者にも広めることが成果アップに繋がります。
4・評価すべき事とは
成果だけを見ていては適正な評価はできません。
また、ただ努力している様を評価するのかといえば、それも違います。
もっとも評価すべきなのは、コンピテンシー(行動特性)です。
コンピテンシーとは、成果を上げることに繋がる行動をとれることです。
成果へと繋がる行動特性を評価することで、社員はそれを高めようとし、成果へと繋がる行動をとるようになります。
人事のために社員の評価を制度に取り入れている企業は数多くあります。
しかし、適正な評価ができている企業は実のところ多くありません。
これには、制度がうまく整っていないことや、管理者の社員を評価する基準やスキルが乏しいことも挙げられますが、何よりも、成果を上げるために必要な能力を中心に評価してきていることが挙げられます。
知識や経験といった能力は確かに必要ですが、これからはそれ以外にも個々の社員特有の特技や強みといった能力にも視点をあてなければなりません。
事業の成果を上げるには、まずコンピテンシー(行動特性)を明確にする必要があります。
経営的視点から、確実な成果を上げるための人材の育成が重要なのです。
社員ひとりひとりが自己実現を達成して仕事にやりがいを感じ、なおかつ成果が上がるようなキャリア開発と人事評価を実践していく・・・そのための方法を、このセミナーでお教えします。
さて、まず最初に必要なこと。
それは、評価と仕事を連動させるということです。
そのためには・・・
1・経営方針を社員全体に浸透させて、目標を達成するために
…明確な経営方針を立てる
…目標管理の導入
…社員ひとりひとりが自主的に目標を設定する
2・目標を達成させて業績を上げるために
…財務体質のチェック
…部下を援助するという上司の姿勢
…加点方式の評価
・・・これらのことが必要になります。
次回のセミナーでは以上のことについて詳しく説明します。
今、あなたの企業で行われている人事制度は何のための人事制度でしょうか?
人事制度は、往々にしてひとりひとりの給与を決定するための仕組みだと思われている節があります。
確かにそれもあるでしょうが、それだけではないということを念頭においておかなければなりません。
よりよい人事制度を行い、社員の定着率を上げるためには、これまでの人事制度に対する誤解を改める必要があります。
まず、これまでの人事を「給与決定のため」の制度だという認識を改めましょう。
では人事制度は何のための制度か。
それは「人材育成のため」の制度です!
人事は人材育成のため、そう念頭においておくことで、人事制度に対する考えが根本から変わり、見直すことができるのです。
これまでの人事制度は、給与決定のために人事評価していました。
そのため、社員の評価が減点方式でなされ、社員は企業から仕事を押し付けられているように感じます。
そんな人事を無理やり行おうとした結果、複雑な人事制度となってしまい、それが社員のモチベーション低下に繋がってしまうのです。
これを今後は人材育成のための人事評価に改めます。
そのためには、まず減点方式の評価を加点方式に変えなくてはなりません。
すると、社員は自主的に仕事の管理を行うようになり、やるべきことが分かるようになります。
それが社員のモチベーションアップとなり、個々の能力が向上するのです。
社員のやる気が上がれば、仕事に対する意欲が増し、そのために能力の向上に努め、もちろん定着率のアップにもなります。
人事がなんのための制度であるのか、その考えを改めるだけで、企業にもたらす影響が良くなることを知りましょう。